羊やキーウィー、ペンギンなど、この国を代表する動物たちが、みんな消しゴムになっている。
花も、地図も、ニュージーランドの人々が、どんなに自分たちの国土を愛しているかが、伝わってくるようだ。
そんななかで、ひとつ、不思議な形のものを見つけた。
緑色の体に、くるり真ん丸い目玉、ぺろりと大きく出した舌……。
今まで見たこともない、ちょっぴり奇妙で、ユーモラスな姿だ。
どうにも気になり、調べてみて、びっくりぎょうてんした。
それはなんとマオリ族の人たちの守り神ともいうべき、男性の妖精ティキであった。
南島でのみ採れる、グリーンストーンで作ったティキのペンダントを、何より大切に身に付けている女性たちもいるという。
ニュージーランドの消しゴムは、ついに天地創造の神話伝説にまで、その世界を広げていた。
|