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ナスカ・パルパを巡る、国際講演会
2月22日、山形大学で、「ナスカとパルパの地上絵と社会」と題する国際学術講演会が開催され、私も特別講演のため、粉雪の舞う山形へと飛びました。
私の他に、講演者は4人。
ナスカ研究の最前線で活躍する研究者ばかりです。
まず、ドイツ考古学研究所のマルクス・ラインデル博士。
この名前、聞き覚えがありませんか?
そうです!
ナスカ・パルパ・プロジェクトの代表であり、私の主宰する日本マリア・ライへ基金が長く活動を共にし、パルパ博物館の建設をご一緒させていただいた考古学者です。
今回のイベントで、嬉しい再会を果たしたのでした。
ナスカの北西部にあたるパルパと呼ばれる一帯で、続々と発見された新しい地上絵や遺跡の謎に迫っていらっしゃいます。
米テキサス州立大学からは、クリスティーナ・コンリー博士が参加されました。
墓地から出土した人骨を分析することで、ナスカ地方のエリートが高地から海岸に移住した人たちであることを明らかにし、ナスカ期の特徴のひとつである斬首された人物の首が豊穣儀礼に利用されたものである、と持論を展開されました。
米パデュー大学のケビン・ボーン博士は、鮮やかな多彩色のナスカ土器に注目されました。
カワチ神殿(ナスカ最大の神殿遺跡)で独占的に製作され、各集落から巡礼に訪れた人々が、儀礼に参加して、それらの土器を入手し、それを持ち帰る、ということで土器が広く流通していった、と考えました。
山形大学の坂井正人教授は、私の古くからの知り合いです。
マリア・ライへ基金にもご協力をいただき、90年代、ナスカが大変困難だった時代に、私とナスカに赴いてくださり、調査にご助力いただきました。
2004年のパルパ博物館のオープニングにも駆けつけてくださり、心から感謝しています。
現在はナスカに山形大学の研究施設を作り、精力的に調査を続けていらっしゃいます。
私は、最初から最後まで、わくわくしながら話に聞き入っていました。
それは、それは面白い、エキサイティングな国際講演会でした。
2014年3月
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