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バルタバスの春


あっという間に時が過ぎ、ふと気付いたら、もう春真っ盛り。
ごめんなさい、今年に入ってから、新しく立ち上げた「ニュース」というカラフルなセクションが面白くて、ついついそちらにかかりきりになってしまってました。

私にとっての、この春の一番のイベントと言ったら、バルタバスに出会ったことでしょうか。
彼が主宰する「ジンガロ」は、馬と人間が一体となって繰り広げる、摩訶不思議な美の舞台。
2度足を運びましたが、どの席に座るかによって、見えてくる世界が違うものですね。
最前列で味わう迫力には、圧倒されます。
馬のつややかな肢体に魅せられ、1頭1頭のキャラクターやテクニックにうならされ、巻き起こる風に揺さぶられ、時に馬の蹴り散らした土塊や水を浴びながら、格別の臨場感を味わいました。
10列目あたりで目の当たりにする情景は、バルタバスの壮大な世界観を体感させてくれます。
人も馬も共に生かされている、この地球があり、それを見守る神の世界があり、それをさらに遥かな宇宙のどこかから目撃している自分が存在する・・・。



バルタバスと。


山海塾の天児さんも加わって。


このバルタバスの世界観が、さらに凝縮して描き出されているのが、「シャーマン」という映画。
東京日仏学院で、たった1度だけ上映された、この映画を見ることができたのは、本当に幸運でした。
ヤクーツクからイルクーツクへ、生死の淵をさまよいながら、逃走するひとりの男と、自愛に満ちた眼差しで彼に寄り添う野生の馬との旅が続きます。
その背景となる雪に埋もれた極寒のシベリアの風景の、圧倒的な説得力、大きさといったら、どうでしょう!!
大自然の前では、人間はなんと脆く、ちっぽけな存在なのでしょう。
中心となる2人以外、すべての出演者が、現地に暮らしている人々だそうです。
シャーマンも、本物を探し当てて、撮影させてもらったのです。
そして驚くことに、バルタバスは、全編を通じて重要なキャストである野生の馬とさえ、思うままに心通わせていたのでした。
上映のあとの質疑応答で、バルタバスは実にエネルギッシュに語り続けました。
どのエピソードも大変面白いものでしたが、なかで、
「人間はそんなに賢い生き物なのでしょうか?」
と問いかけたことが、印象的でした。

残念ながら、映画を見るチャンスはもうないかもしれません。
でも、「ジンガロ」は、5月8日まで公演していますので、ぜひ皆さん、お出かけください。
バルタバスの宇宙を、体験してくださいね!

ある夜、バルタバスと遅い夕飯を食べているとき、私が、
「どうして、馬を選んだの?」
と質問すると、バルタバスはこう応えたのでした。
「違うよ、ボクが馬を選んだんじゃない。
馬がボクを選んだんだ。」


2005年4月21日  

楠田 枝里子