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ラ・メゾン・デュ・ショコラに、拍手


それはもう、すばらしい新作のプレゼンテーションでした!

ラ・メゾン・デュ・ショコラといえば、伝説のショコラティエ、ロベール・ランクスが、1977年に創設した、歴史的なチョコレートのグラン・メゾン。
「ガナッシュの魔術師」と呼ばれたランクスのチョコレートに魅せられて、その道を志し、名をなしたショコラティエは数えきれません。
今ではおなじみとなったサロン・デュ・ショコラの「チョコレート・ファッションショー」も、実はランクスが1995年、チョコレートで拵えたドレスを発表したのが、最初だったのですよ。
ラ・メゾン・デュ・ショコラが日本に初出店したときのセンセーションを、私ははっきりと覚えています。
あの瞬間、日本のチョコレートの世界に、刺激的な扉が開かれたのです。
たちまち大きな話題となり、誰もかれもが表参道の旧ハナエ・モリビル1Fのブティックに詰めかけました。
勿論、私も!
1998年11月1日のことでした。
そう、21年前の、ちょうど今日!!
そして、その感慨深い場所で、今年の新作発表会が開催されたのでした。
あまりの嬉しいショックに、私は大興奮。
秋の新作も、クリスマス・クリエーションも、バレンタイン・コレクションも、意表を突く試み、新しい美味しさに満ちていました。

まずは、秋のタブレット6種に、顔がほころびます。




カラフルな6種のボックスが、まるで愉快な歌をうたっているようでしょ。
中を開けて、ビックリ!
斬新な発想で作られたタブレットの数々にはどれも、驚く細やかな心遣いが伺えます。




ごらんいただきましょう。
上品でスリムなタブレットには、一口ごとの切れ目が入れられていて、とても食べやすく、デザイン的にも面白い。
こんなオシャレな工夫を施したタブレット、今まで見たことがないっ。

ノワゼット・デマント    パッション・ヴィブラント


クリスマス・デコレーションの繊細なチョコレート細工には、溜め息をつき、感嘆するばかりでしたが、今年のビュッシュ・ドゥ・ノエル(クリスマス・ケーキ)を知ったときの私の大感激を、皆さんは想像できるでしょうか?!
巧みな技で造形された雪の結晶が、いくつも華やかに飾られたチョコレートケーキが、2種。
「サルバドール」と、「プラリネ」です。

サルバドール             プラリネ


「サルバドール」といえば、ロベール・ランクスが生み出した、あまりにも有名なボンボン・ショコラの傑作。
クリスマス・ケーキのサルバドールは、その名を冠した、ランクスへのオマージュともいうべき作品なのですね。
カカオとフランボワーズの組み合わせのケーキは、他のメゾンでも発表していますが、ラ・メゾン・デュ・ショコラのサルバドールには、とてもかなわない。
実は・・・私はこのサルバドールを熱愛していて、もう10年以上も、クリスマス・シーズンに必ずサルバドールを楽しんでいるのですよ。
サルバドールを食べなければ、私にクリスマスはやってこない。
ここ3年ほど、店頭売りがなくなってしまったことを、とても寂しく思っていたのですが、今年、見事に復活。
踊りだしたくなるほど、嬉しいわ。
サルバドールは、ラ・メゾン・デュ・ショコラの誇るメモラブルなチョコレートケーキとして永遠に作り続けてほしいと、私は願っています。
私も永遠に食べ続けますし(笑)、皆さんにもぜひ、味わっていただきたい!

バレンタイン・ボックスも、まあ、なんと情熱的で美しいのでしょう!!
「オ・クール・ドゥ・パリ」(パリの中心で)と名付けられた真っ赤なボックスは、愛を誓うハートを囲んで、4種のチョコのバリエーションが軽快なリズムを刻みます。
カリカリ、さくさく、しっとりなど、食感に変化を持たせた表現で、恋人たちのときめきや喜びが、伝わってくるようです。




まさしくラ・メゾン・デュ・ショコラという、真っ赤なハートのケースに、絶品チョコがどっさり詰まったバレンタイン・ボックスも、さすがのデザインセンスで、私大好きです。
愛する思いがストレートに伝わってくる、胸が熱くなる逸品ですよね。




これをプレゼントして告白したら、大切な人の心に絶対届くと思うなあ。

新作チョコレートの中で、今回私が一番唸ったのは、「オペラ・シック」と名付けられたボンボンでした。
ベネズエラ産カカオを用いたダークガナッシュで、この上なくエレガントな仕上がり。
極上のカカオの味わい、口どけの鮮やかさ、複雑な味覚の饗宴・・・
最高の一粒です。
他にも、今回舌を唸らせるダークチョコレートが登場していて、私は大喜び。
そうでなくっちゃ!
ロベール・ランクスこそ、ダークチョコレート礼賛の姿勢を貫き、甘い子供のミルクチョコではなく、カカオ感溢れる洗練された大人の味わいで世界を魅了したショコラティエだったのですもの。
(正直に言うと、ここ2〜3年、ミルクチョコレートが多すぎるなあと感じていたので、ついにまたランクスの目指したシックなダークチョコレートの世界に、ラ・メゾン・デュ・ショコラが帰ってきた、と私は飛び上がらんばかりです。)

1年ぶりに再会した、シェフ・ショコラティエのニコラ・クロワゾーさんに、私は感動をそのまま伝えました。


クリスマス・コレクションのディスプレイの前で、ニコラさんと。


ニコラさんはもの静かな、内に情熱を秘めた方ですね。
長くランクスさんの元で腕を磨いてきたのですから、彼の思いをしっかりと引き継ぎ、次の時代を開拓していってくれることでしょう。
(余談ですが、二コラさんのさりげないオシャレに、私はいつも感心しているの。
上着は、「M.O.F.」フランス国家最優秀職人章のトリコロールのマークの付いた白のシェフコートですが、下のズボンを去年紺でまとめたさいには、青の微妙なニュアンスのある靴を合わせ、今年の黒のパンツには、グレイと黒のデリケートなグラデーションの靴を選んでいました。
こういう品良く個性的なこだわりや美意識は、彼のチョコレート作りにも生きているのでしょう。)

メゾン設立40年を過ぎ、日本上陸20年も越え、更なる一歩を成功させた、ラ・メゾン・デュ・ショコラ。
すばらしい、新しいクリエーションの数々に、心から感謝し、大きな拍手を送ります!!

2019年11月1日  

楠田 枝里子