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速報!パトリック・ロジェのワイン
いやもう、驚きました!
10月上旬、パリに滞在していたときのことです。
いつものように、私がこよなく愛する天才ショコラティエ、パトリック・ロジェの、マドレーヌ広場のブティックを訪ねて・・・。
いつものように、珠玉のチョコレートの詰まったペパーミントグリーンのボックスや、ロジェの彫刻作品を眺めて楽しみ、
ショーウィンドーに目を移して、私はあっと声を上げてしまいました。
そこに飾られていたのは、チョコレートで拵えた大きな葡萄のオブジェ、そして、ワインのボトル(!)だったのです!!
とっても不思議な空気が流れていました。
このボトルも、オブジェに違いない、と最初はそう思いました。
でも、どうしても気になって、何度も繰り返し確認し、ついにお店の人に聞いたのです。
「あのう・・・このワインは飾り?」
「いいえ、本物のワインです」
「飲めるんですか?」
「勿論です」
「売り物なんですか?」
「勿論!」
私の頭の中は、「?」マークだらけになりました。
ボトルには、パトリック・ロジェの名がデザインされていますから、これは確かにロジェの手によるワインなのでしょう。
でも、どうして?
ロジェはワイン作りを始めたの?!
手に入れないわけにはいきません。
私は、どっさりのチョコレートと、ワインを1本抱えて、ホテルに戻りました。
ちょうどその日の夜、ギー・サヴォワの予約を入れてあり、友人とディナーを楽しむことになっていました。
ちょっとあつかましいかなと躊躇いながらも、一刻も早く味わってみたい気持ちが抑えきれず、ロジェのワインを持ち込ませてもらうことにしました。
ギー・サヴォワは、私の大好きなレストランのひとつです。
一皿、一皿にサプライズや遊び心が溢れた、極上のお料理は言うまでもなく、まるで美しい美術館の奥の一室で食事をしているような、優雅で贅沢な気分を楽しむことができます。
ソムリエさんは、慎重にロジェ・ワインを見定め、小鳩のお料理に合わせてくれました。
赤のタフタのドレスのような、魅惑的な色と香り。
口に含むと、たくさんの繊細な旨みの粒が弾け飛び、とても華やかな味わいの赤ワインです。
さらに、一口ごとに、その味が次々変化していって、まるで美しい仕掛け花火を体感しているような面白さがあります。
葡萄の品種は、シラー。
香りや味を表現するとき、よく「チョコレートのような」という言葉が使われる、この葡萄を使ったのも、ロジェらしいと言えるでしょうか。
今はまだ若いけれど、数年経てば、シラーらしい大人の深みや力強さを身に付けてくれるに違いありません。
ロジェのワインは9月末にリリースされたもので、パリに住む食の専門家の私の友人ですら知らなかったですから、どうやら私は、ロジェのワインを味わった、最初の日本人、となったようですよ!
パトリック・ロジェ
帰国後、さらに驚きの展開となりました。
ロジェのワインについて、情報を集めているうち、私が2年にわたってショコラ・アンバサダーを務めさせていただいた「サロン・デュ・ショコラ」の関係者の尽力で、なんと、ロジェ本人と直接、スカイプで話ができることになったのです!
あの気難しい天才が、「エリコだったら、いいよ」と快諾してくださったそうで、ああ、なんて嬉しいのでしょう!!
大興奮、大感激の体験でした。
パリと東京の距離も時間差も、軽々と飛び越えて、私たちは話し込みました。
環境問題に深い興味を持つロジェは、6〜7年前に南フランスに、朽ちかけた葡萄畑を見つけたそうです。
そして、20年の命を繋いできた葡萄たちを蘇らせ、すばらしいワインに生き返らせたのですね。
こだわり抜き、アンフォラを使った古い製法で作られた、ロジェのワインは、「パトリック・ロジェの瞬間」と名付けられました。
初めて口にしたとき、ご本人は、どんな感想だったのでしょう?
「ちょうど仕事の電話中に、グラスが運ばれてきてね。
話しながら、一口味わったら、あまりにすばらしいので、すごい、もっと飲みたいと、あわてて電話を切って、じっくり楽しんだよ。」
私がギー・サヴォワでいただいた、小鳩との組み合わせもステキでしたが、ロジェ自身は、
「今度、きのこのお料理に合わせてみて!
最高だから」
と薦めてくれました。
ロジェはワインを、今後も毎年、発表していくそうです。
ゆくゆくは白ワインも、と意欲的でしたよ。
私としては、できれば、スパークリング・ワインも出してもらいたいな。
そうしたら、ロジェのチョコレートと完璧なマリアージュを期待することができるもの。
ロジェさんが、スカイプ中の写真を送ってくれました!
スカイプでのロジェとの会話は、私にとって、今年一番のビッグなクリスマス・プレゼントになりました。
ワインの他にも、チョコのクリエーションや、今後の新しい試み、展開など、多岐にわたってワクワク心躍るお話を伺いましたが、まだまだ秘密がどっさり。
然るべき時期が来ましたら、喜んで、いち早く皆さまにお知らせしますので、どうぞお楽しみに!
2017年12月20日
楠田 枝里子