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からくり人形


ちょっと感激!のエピソードをひとつ。

今、上野の国立科学博物館で、「大江戸博覧会」を開催しているの、ご存じですか?
今年は、江戸開府400年。
その記念すべき年に、江戸時代に生まれたさまざまなものが、展示公開されているのです。
杉田玄白の「解体新書」、花岡青洲の手術道具、勝海舟の写真と手紙、望遠鏡に顕微鏡、カメラに昆虫標本、測量器具や、天球儀、などなどなど。
歴史的にも重要な品々と対面し、感心することしきりです。
江戸時代の高い科学技術水準、豊かなモノづくりに目を見張り、圧倒されます。

心弾ませながら、会場を回っていると、
「ホールで、からくり人形の実演が始まります」
というアナウンスが聞こえてきました。
実は、私、からくり人形が大好き。
今回の展覧会でも、からくりを見るのを、大きな楽しみにしてきたのです。
いそいそとホールに向かい、座布団に座って、実演を見ました。
壇上に立った黒装束の男性は、仕掛けを丁寧に解説してくださり、実際に人形を動かして見せてくれます。
有名な、茶運び人形。
手品をやってみせる、七妖品玉人形。
そして、矢を取って弓を引き、的に的中させる弓曳童子・・・。
そのみごとさ、愛らしさに、拍手喝采です。




あまりに面白くて、実演終了後もすぐにその場を立ち去れず、人形を見ていたら、さきほどの男性が、声を掛けてくださいました。
「あのう、楠田枝里子さんではないですか?」
「はい、そうです」
と答えると、その方から思いもかけない話が飛び出しました。
「あの手品をするお人形、実は楠田さんがモデルなんですよ!」
その方は、峰崎十五さんとおっしゃる、からくり人形の研究では有名な方でした。
江戸時代の文献をもとに、長い時間をかけて、からくり人形の仕組みを解き明かし、復元をして、現代に甦らせていらっしゃるのです。
その峰崎さんが、十年ほど前に完成させたのが、先の七妖品玉人形。
(上の写真が、峰崎さんと、そのお人形です。)
人形が右手に持った桝を上に上げると、次々に違う品物が出現し、七種類も変化するという、貴重なからくり人形でした。
当時、峰崎さんは私のファンでいらしてくださっていたそうで、そのお人形の顔を、私の顔で作ってくださったというのです。
へスタイルは、おかっぱで、それは美しいお顔に描いてくださっていました。
まあ、なんという光栄!
なんとありがたいことでしょう!!
私はもう、感謝感激!!!
今はショートヘアになってしまっていて、申し訳なかったのですが、記念に、一緒に写真を撮らせていただきました。
今日も一生懸命手品を披露しているお人形に、私も負けないように頑張らなくっちゃ、なんて気持ちを新たにしました。

「江戸大博覧会」は、今月8月31日まで開催されています。
みなさん、ぜひ、からくり人形に会いに出かけてください。
いえ、いえ、それだけではありません。
江戸の豊かな創造性、技術力、遊びの精神を、たっぷりと味わってください。
こんな機会は、めったにありませんよ!

2003年8月22日  
楠田 枝里子