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ロジェ・ワインに、夢中
パトリック・ロジェのワインに、やみつきになっています。
この1年ちょっとで、4回もロジェ・ワインを味わうテイスティング会を楽しみました。
だって、次々に展開されるロジェのチャレンジと、成長するワインの姿を、追いかけずにはいられなかったのですもの。
パトリック・ロジェは、言うまでのなく世界的に有名な天才ショコラティエであり、彫刻の芸術家。
そもそもは、昨年の秋、リリース直後のロジェのワイン第1作を、パリのチョコレートのブティックで発見し、すぐその日にレストランに持ち込んで味わったのが、始まりでした。
このペパーミント・グリーンは、パトリック・ロジェのシンボル・カラーです。
そのときの印象を、私は以下のようにメモしています。
「赤のタフタのドレスのような、魅惑的な色と香り。
口に含むと、たくさんの繊細な旨みの粒が弾け飛び、とても華やかな味わいの赤ワインです。
さらに、一口ごとに、その味が次々変化していって、まるで美しい仕掛け花火を体感しているような面白さがあります。
葡萄の品種は、シラー。
香りや味を表現するとき、よく「チョコレートのような」という言葉が使われる、この葡萄を使ったのも、ロジェらしいと言えるでしょうか。
今はまだ若いけれど、数年経てば、シラーらしい大人の深みや力強さを身に付けてくれるに違いありません。」
ロジェのワインを味わった、最初の日本人は、きっと私でしょう。
環境問題に深い興味を持つロジェは、6〜7年前に南フランスに、朽ちかけた葡萄畑を見つけ、20年の命を繋いできた葡萄たちを蘇らせて、すばらしいワインに生き返らせました。
こだわり抜き、アンフォラを使った古い製法で、ロジェは、この第1作を完成させたのです。
アンフォラとは、2つの取っ手の付いた古代ギリシャの壺の一種。
ワインやオリーブ油や水、穀物などを入れるのに用いられました。
しかし、アーティスト、パトリック・ロジェのことですから、道具であるそのアンフォラ自体が、実に美しいのです。
これだけでもう、芸術作品ですよね。
うちに持ち帰って、オブジェとして飾っておきたいくらい。
そのワインの第1作を、再び味わったのが、今年の春でした。
チョコレートとワインの専門家の友人たちが、5人集まりました。
驚きました!
あのまだ若く華やかだったお嬢さんが、たった半年で、すっかり優雅なレディへと変身を遂げていたのです!!
さらに、半年後の今年の秋。
新しくリリースされたばかりのロジェのワインを、緊急入手しました。
ロジェは何と、昨年と同じ葡萄を使って、アンフォラ、ステンレスタンク+木樽、木樽の3つの貯蔵法を試みて、3種類のワインを発表したのです。
このときには、アンフォラ熟成の第1作と、ステンレスタンク+木樽で熟成されたもの、2本をテイスティングしました。
まあ!
香りの立ち方からして、全然違う!!
口に含むと、アンフォラを使ったものは、まろやかな味わいなのに比して、今回のステンレスタンク+木樽のものには、心地よい力強さが感じられます。
生き生きと活動的で、オルコット「若草物語」の四姉妹の次女ジョーのような魅力のあるワイン。
ボトルに描かれた「旅する人」の彫刻デッサンが、ぴったりのイメージです。
(とすると、前者は、美しく成長していく末っ子エミーかもしれませんね。)
同じ年の同じ葡萄から生まれたワインなのに、貯蔵の容器が違えば、こんなにも変わってしまうものなのか、と感嘆。
さらに、さらに!
12月には、もう1種のロジェ・ワインも、手に入りました。
木樽で熟成させたタイプです。
曇りなく鮮やかで魅惑的な赤、落ち着いた大人の味わいに、深く頷きました。
これで、私たちは、パトリック・ロジェが生み出した、全てのワインを体験したことになりますね。
打ち明けると、ロジェ・ワインは、木樽がちょっと苦手で、この1本は彼にとってのチャレンジだったそうです。
今度会ったら、この出来栄えをご自身はどう感じているか、ぜひ聞いてみることにしましょう!
私は、飲み終えたロジェ・ワイン3本を持ち帰って、記念の写真を撮りました。
お気付きでしょう?
3種類のボトルのデザインがそれぞれ、パトリック・ロジェのアートなのですよ!!
さらに、それぞれのワインには、タイトルが付けられています。
アンフォラ貯蔵の第1作が、L’Instant(ランストン)「瞬間」。
ステンレスタンク+木樽のものが、L’Instinct(ランスタン)「本能」。
木樽100%のものが、L’Indécence (ランデサンス)「考えられない」。
ボトルを手にする人に、ロジェは大きな問いを投げかけているようです。
日本語にしてしまうとわからないのですが、原語では、ちゃんと韻を踏んでるんですよね〜。
ふうっ、唸るばかりです!
さあ、新年2019年のロジェ・ワインは、そしてチョコレートは、私たちに、どんな驚きと感動をもたらしてくれるでしょうか?
パトリック・ロジェの飽くなき挑戦と情熱に、乾杯!!!
2018年12月30日
楠田 枝里子