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マリア・ライへ基金、最後の食事会
暖かな春の日の夜、マリア・ライへ基金でお世話になった先生方にお集まりいただきました。
22年間のボランティア活動を経て、昨年クローズした「マリア・ライへ基金」。
長きにわたり、ご指導ご鞭撻をいただき、支えてくださった先生方に、私から、心からのお礼を申し上げたいとの気持ちでした。
場所は勿論、ペルー料理店。
「ベポカ」という、最近評判のレストランです。
古代アンデス文明研究の第一人者、大貫良夫先生、加藤康建先生、日本におけるナスカの地上絵研究を率いる山形大学の坂井正人教授、国立天文台の小久保英一郎教授。
皆さんとは、30年にも及ぶ、長いお付き合いです。
折に触れ、多大なるご助力をいただいて、マリア・ライへ基金は、無事使命を果たすことができました。
その貴重な体験の数々、勉強させていただいたことは、私の人生の宝物という他ありません。
どれほど感謝の言葉を重ねても足りないのですが、マリア・ライへ基金の最後に、懐かしいペルー料理をご一緒したいと、私はお願いしたのですね。
といっても、猛烈にお忙しい方々のスケジュールを調整するのは、容易ではなく、結局半年がかりで、皆さんにお時間を捻出していただいたというわけでした。
まずは、ピスコサワーで、軽く1杯。
ペルーを代表するカクテルで、私は、毎日このお酒を楽しんだものです。
ナスカの定宿ホテル・ナスカラインズで、バーテンダーのマヌエルが作ってくれたピスコサワーは、世界一美味しかったな・・・。
マリア・ライへの活動を支えた妹のレナーテさんは、毎夕、レクチャーの前に、勇気を奮い起こすかのように、マヌエルのピスコサワーを飲みほして、おおぜいの受講者の前に立ったのです。
私も、レナーテさんと一緒にグラスを掲げるのが、常となっていました。
続いて、思い出のタカマのスパークリングとワインで、乾杯。
タカマ・ワインは、ナスカ地方で作られている、飛びっきり美味しいワインです。
ナスカに滞在しているとき、私たちはいつも、このワインを飲んでいました。
嬉しいとき、楽しいときは勿論のこと、苦しいときも、悲しいときにも、必ずタカマ・ワインがテーブルの上にありました。
ここ数年、ペルー料理は、世界的なブームです。
トマトやじゃがいも、さつまいも、とうもろこし、唐辛子・・・食卓になくてはならない野菜の多くが実は、ペルー、アンデス原産なのですね。
種類豊富で、味わい深い野菜類が抜群なのはいうまでもないですが、その極上の素材を食べて育っているから、牛肉も豚肉も鶏肉も、美味しいのです!
さらに、ペルーのインディオたちは、その昔、アジア大陸を北上し、ベーリング海峡を渡って、アメリカ大陸を南下し、はるかな旅ののちアンデスに辿り着いた、モンゴロイドの末裔。
私たちとは、いわば兄弟のような存在なのですから、彼らの生み出した食文化が、日本人の口に合うのも当然のことなのですね。
前菜のセビーチェ(新鮮な海の幸のマリネ)に始まり、大好物のチュペ・デ・カマローネス(川海老のスープ。ナスカの隣町、私たちが博物館を建設したパルパの名物です)、メインはロモ・サルタード(牛ヒレ肉に、たっぷりのアンデス原産野菜を添えたもの。いわば豪華版ペルー風牛丼ですね。私は元気を出したいとき、決まってこれを食べていました)!!!
デザートには、ペルーならではのフルーツ、ルクマ、チリモヤ、アグアイマントのシャーベットを、堪能しました。
食事会を終えて、夜中に帰宅し、先生方からいただいた身に余るお言葉を幾度も噛みしめているうち、涙がこぼれました。
なんという幸せなことであっただろうと、この上なく、ありがたい気持ちでいっぱいになりました。
この30年を改めて振り返り、苦労してきたことも十分報われたと、満たされた思いに浸っていて、朝方まで眠ることができませんでした。
2018年6月30日
楠田 枝里子