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新発見、ナスカの地上絵
2006年9月のナスカ・・・なんと眩しい日々だったことでしょう!
ドクター・ラインデルの新発見・発掘のレクチャーを受け、大興奮のうちにパルパの地上絵を歩き、発掘メンバーと食事を共にしたり、おしゃべりを楽しんだり。
パルパ博物館ではルイーザが、ホテル・ナスカラインズでは、懐かしいテオフィロやティモテオ、マヌエルらのにこやかな笑顔が迎えてくれました。
マリア・ライヘ博物館でマリアさんとレナーテさんのお墓参りをし、ボカネグラさんら、アソシエーション・マリア・ライヘのメンバーが、歓迎の大パーティを催してくれました。
それから、それから・・・。
何十回体験しても、あのワクワクドキドキする感触は、消えることがありません。
セスナでの空中散歩!!
私は、一般的なコースではなく、集中的にチェックしたい地上絵を選んで、パイロットと綿密な打ち合わせのうえ独自にコースを作り、飛行を楽しみます。
かつてはセスナの扉をすっぽり外してもらって、ナスカの風を体中に受けながら、地上絵を心ゆくまで楽しんだものでしたが、あまりにも危険で事故があいついだため、現在はその許可が出なくなってしまいました。
そこで、やむなく、窓を開けて撮影するという許可証を取り、セスナに乗り込んだのです。
びゅんびゅんと吹きつける風のなか、地上絵を眼下に眺めるのは、ほんとうに愉快、愉快。
飛行のあと、最高の気分で、飛行場のマネージャーとおしゃべりしていたとき、こんな話が飛び出しました。
「うちのパイロットのひとりが、全く新しい地上絵を、ついこのあいだ発見したんだよ。
トップ・シークレットさ。
それはね、夕陽を浴びて、4時か5時くらいでないと姿を現さない、コリブリ(ハチドリ)!」
へえええ〜〜〜、と私は身を乗り出します。
「それは、もう1回飛んで、何としてでも見てこなくっちゃ!!」
「新発見」と聞いても、実は私はあまり驚きません。
厳密に言うと、それは単なる「発表」と表現すべきもので、今まで知っている人は知っていたけれど、改めて発表するというレベルにはなかった地上絵のケースが多いのです。
また、正確に「ナスカの地上絵」と言うためには、ただ空から見ただけでは十分ではなく、しっかりしたフィールドワークを行って、確かにそれが古代ナスカ時代に描かれたと、考古学的に証明することが必要だからです。
実際のところ、古代ナスカ時代以降、近年にイタズラで描かれた地上絵も少なくありません。
(1996年といえばつい最近ですが、デニケン率いるUFO探しの団体客が、愚かな落書きをしていきました。
あろうことか、イカ大学の教授が生徒を引き連れてやってきて、新たな地上絵を大地に描いた跡が今も残っています。
呆れた話です。
よく知らない人がそれを見て、新しい地上絵だ、と勘違いしてしまうこともあるでしょう、残念なことですが・・・。)
しかし・・・。
今回パイロットのジーノが指し示したその地上絵は、私の目にもあきらかに、古代ナスカのものと考えられました。
インヘニオの大地に鮮やかに浮かび上がる長方形。
実は、この長方形の左上のスペースに、
コリブリ(ハチドリ)が描かれているのだが、
太陽の光の差し込み具合により、通常はなかなか見えてこない。
これが、そのコリブリ(ハチドリ)!
Fantastico!!
場所は、ナスカとパルパの中間地点にある、インヘニオの台地。
確かに、夕方の限られた時間帯にのみ浮かび上がるように、計算された地上絵で、非常に発見は難しかったであろうと思われました。
世界遺産にも登録指定されていない一帯だったため、その上を注意深く飛ぶ人も、少なかったでしょう。
(長方形は見ても、そこから複雑に伸びたコリブリに気付く人は、なかなかいないのでは・・・。)
なにより、驚くことに、ナスカの地上絵と判断される、全ての地理的・形態的条件を、そのコリブリは満たしていたのです!
数多のナスカ及びパルパの地上絵の分析の結果、その規則性があるていど知られるようになっていますが、それから考察しても、疑いを差し挟む余地がないのです。
私はジーノに大拍手を贈りました。
ALAS PERUANASの
パイロット、Gino Moncada Felipe(左)と、
マネージャー、Efrain Alegria。
すばらしいフライトでした、ありがとう、
Muchas Gracias!!
さらに!
ジーノに倣って、目を皿のようにして、私たちも小1時間ほど、その一帯を飛んでみていると、あった、あった、さらに5つも6つもの、異なる形態の地上絵が、目に飛び込んできたのです。
小さなセスナの中は、4人(ジーノ、私、ウーゴさん、エミコさん)の歓声でいっぱいになりました。
でも、その写真を公開するのは、もう少し用心深く分析を進めてからにしなければなりません。
先に述べた、ナスカ(あるいはパルパ)の地上絵としての条件を、それらの図は、まだ十分に満たしていないように見えるからです。
ともあれ!
ナスカ、パルパに続き、インヘニオの地上絵も、ごく近い将来、大注目を浴びるようになるでしょう。
私たちは、そのトップバッターとして、大きく胸をふくらませ(ほとんど爆発しそうになるほど)、空をいつまでも飛んでいたのでした。
2006年10月20日
楠田 枝里子
新発見の地上絵、上記のコリブリのニュースは、私がこのホームページで発表する許可を、いただいたものです。