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スイスの休日


私の5月から6月のヨーロッパ旅行は、スイスからスタートしました。
まずチューリッヒに入り、1日のんびり。
ここはもう5回目の訪問ですから、馴染みの町なのですが、今回初日は時計博物館をぶらぶらしたり、チューリッヒ湖の遊覧船に乗ったり、在住の古い友人と会って、歴史的なレストランで名物のゲシュネッツェルテスを味わったりして、長い移動の疲れを取り、時差の調整に努めたわけですね。
翌日には、朝から列車でベルンに移動。
ツェントルム・パウル・クレー(パウル・クレー・センター)を訪ねるためでした。
私は、小学生の頃から、クレーの絵が大好きで、人生の節目節目に、クレーの作品に巡り会うための旅を重ねてきました。
ベルンのツェントルム・パウル・クレーにも、すでに以前足を運んでいたのですが、その後改築され、建築家レンゾ・ピアノが斬新な建造物を手掛けたと知り、どうしても新しいパウル・クレー・センターに出向きたくなったのですね。
ベルンに到着するとすぐ、私はローゼン・ガルテンに向かいました。
薔薇の咲き誇る公園。
在りし日のクレーもこの公園で花々を愛で、そして何枚もの薔薇の絵を描いたのでしょう。




こぼれんばかりの美しい薔薇を堪能して、いよいよ私は、ツェントルム・パウル・クレーへ。
おおっ、みずみずしい緑のなかに、波がうねるような形にデザインされた建築物です。




心躍らせながら、私は建物の中へはいりました。
ところが・・・。
展示室は、さほど大きくないものが2つだけ。
それも、企画展になってしまっていて、クレーの作品だけが楽しめるわけではありません。
膨大なコレクションを持つフェリックス・クレーの展示室も、1914年パウル・クレーがチュニジア旅行をしたときの、友人との合同作品展で、私が見たかった絵画とは違っていました。
勿論、薔薇の絵は、公開されていません。
ああ、がっかり。
もっと、もっと、たくさんのクレーが見たかった。
クレーの作品のなかにうずもれたかった・・・。
前のクレー美術館のほうが、すてきだったなあ。
というわけで、ツェントルム・パウル・クレーへの期待は、残念ながら少し外れてしまったというわけでした。

しかし、チューリッヒに戻った私に、嬉しい知らせが待っていました。
実は、タクシーでの移動の途中に、かわいらしい赤いテントを見つけ、ホテルのコンシェルジュに聞いてみたところ、それは移動サーカスだというのです。
「とっても有名なツィルクス・クニーですよ。
特にクラウンはスイス一番の腕の持ち主ですよ。」
ぜひ見てみたいが、良い席は今からでも取れるか、との問いに、彼は、
「勿論ですとも。
何とかしてみせますよ」
と目配せしてみせました。
その言葉通り届いたチケットを手に、夜、チーズ・フォンデュのレストランの予約もキャンセルして、私はうきうき気分で、サーカスに向かいました。
それはもう、夢と童話の世界でした。





赤と青が鮮やかなリズムを刻むテントのなか。
華やかなスポットライトを浴びて、ゾウが、イヌが、馬たちが、見事な芸を披露します。
どの動物も、ぴかぴかに磨き上げられていて、あんなに美しい馬たちを、私は見たことがありませんでした。





私たちはまた、息を呑むアクロバットの数々に釘付けになることしきり。
クラウンときたら、一瞬も飽きさせない飛び切りのパフォーマンスで、満席の観客を大笑いさせます。

スイスで、こんな愉快な夜が待ち受けているとは、予想しませんでした。
これだから、旅は面白いんですよね!

次回は、ドイツ、ヴッパータールのめくるめく日々について、レポートしますね。
お楽しみに!



2014年6月26日  

楠田 枝里子