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チョコレートと、私


「物心ついた頃から、今日に至るまで、チョコレートを食べなかった日はない」というほど、
私はチョコレートが大好き。
栄養学の講師を務めていた母が、その栄養価を評価し、チョコレートを与えてくれたのです。


母は、食べることについては、厳しい人でした。
たとえば、夕飯で好き嫌いをして、苦手なものを残すと、こんなふうに説明してくれたのですね。
「エリコちゃん、あなたは朝から、何と何と何を食べました。
タンパク質、脂肪、炭水化物、ビタミンA、B、Bまでは摂れているけれど、Cが20mg足りない。
だから、これを食べなきゃダメなの」
感情的に叱られると、子供も反発するものですが、冷静に説明されると、
「そうか、Cが20mg足りないか・・・」
と嫌いなものでも食べた、という子供時代でした。
どうしても食べられないものがあると、母は代替案を出してくれました。
「それじゃ、C20mg、これで補いましょう」
こうして、「1日に必要な栄養分は、1日の食事でしっかり摂取する」という習慣が、出来上がっていったのでした。
(今でいう、食育、ですね。)


間食をしたことも、スナック類を食べさせてもらった記憶も、あまりないけれど、チョコレートだけは、母はいつでも買ってくれました。
昭和30年代ですから、田舎で食品成分表を持っていた人は少なかったはずです。
母はその分析から、チョコレートが体にいいことを知っていたのでしょう。


幼い頃から長いこと、私はただ好きでチョコレートを食べていたのですが、
「日本のチョコレート文化の発展のために、貢献したい」
と本気で関わり始めたのは、ちょうど2000年のことでした。


すでにその前、1980〜90年代初め、頻繁にヨーロッパを旅していた私は、さまざまな国のショコラトリーを訪ねて、
「日本のチョコレートは、遅れているな〜」
と残念に思っていました。


2000年頃、チョコレートの原材料であるカカオの健康効果について、科学的研究が進み、興味深い研究発表が続いていました。
それは科学(化学)の専門領域での発表で、科学用語や化学式ばかりの論文だったりしたので、一般に理解されるのは極めて難しい状況でした。
幸運なことに、私は大学で化学を専攻したので、科学論文や研究発表も、理解することができたのですね。
「これは、私がやらなければならない、私に与えられた仕事だ」
と思いました。
実は、難解な科学の話を誰にもわかりやすく伝える、というのは、1980年代、私が追求し続けた仕事でしたので、その延長線上でもありました。
(「ロマンチック・サイエンス」「不思議の国のエリコ」「気分はサイエンス」他多数。)
取りかかってみると、チョコレートの科学は、驚きの連続で、あまりに面白く、夢中になりました。
カカオには、食物繊維が豊富に含まれていて、便秘の解消に役立つ。
ミネラルが、体の機能を正常に保ち、テオブロミンが、脳の働きを活発にしてくれる。
カカオポリフェノールには、抗酸化作用があり、さまざまな病気の予防に効果がある。
ストレスやアレルギーにも強い体を作り、更年期障害や老化の緩和にも役立つ。
などなど。
こんなスゴイことを知らないのは、もったいない。
ひとりでも多くの人に伝えなければ、そんな思いでした。


チョコレート・ダイエット


こうしたリサーチをまとめて、2004年に、「チョコレート・ダイエット」という単行本を上梓しました。
ダイエットという言葉は、日本では少し偏った形で使用されていますが、本来は「食生活」という意味なのですね。
これに近年「痩身」の意味が加わり、欧米では、当然のことですが、両方の意味で使われています。
私は、この本来の「ダイエット」を伝える形で、「チョコレート・ダイエット」を提唱し、まず食生活を立て直すことから、話を始めました。
(それはまさに、母が私に教えてくれたことでした。)
栄養バランスの取れた食生活を送るには、どうすれば良いか、からスタートし、その上で、カカオの健康効果を賢く取り入れましょう、とカカオ70%以上のチョコレートを皆さんにお勧めしたのです。
当時、日本で高カカオチョコレートというと、明治の「チョコレート効果」しか存在しませんでした。
拙著が話題になると、「チョコレート効果」は爆発的に販売数を伸ばし、当時私もテレビCMに参加したりしました。
嬉しいことに、「チョコレート・ダイエット」出版の翌年には、森永が、さらにその翌年にはロッテが、と高カカオチョコレートは次々新発売になり、その他の中小のメーカーも市場に参入し、日本に高カカオチョコレートブームが巻き起こったのでした。
明治グループ「ビジュアル100年史」の、2005〜9年のページには、私とチョコの写真が掲載され、
「高カカオブームをけん引!
書籍『チョコレート・ダイエット』(楠田枝里子著)などをきっかけに、高カカオチョコレートに消費者の関心が集まる」
と記されています。


チョコレートの奇跡


2010年には、スーパーやコンビニに、パーセンテージを明示した、多くの高カカオチョコレートがずらり並んでいるのを見て、私は涙するほど、嬉しかったです。
それこそ、1980〜90年代に、ヨーロッパのショコラトリーで目にし、羨ましく思った光景でしたから。
ひとつの目標に到達することができた、という充実感がありました。
そこでまとめたのが、「チョコレートの奇跡」(中央公論新社)です。


その後、チョコレートの健康効果は、一般にもポピュラーに知られるようになり、高カカオチョコレートは暮らしのなかに自然に取り入れられるようになりました。
私は新たなチャレンジとして、魅力的なショコラティエとその作品を紹介し、「サロン・デュ・ショコラ」のショコラアンバサダーを務めさせていただいたり、大阪あべのハルカスにて、「ショコラ・エ・ショコラ」というチョコレート・イベントをプロデュースいたしました。


「サロン・デュ・ショコラ」オープニングセレモニー

「サロン・デュ・ショコラ」創設者の、
シルヴィー・ドゥースさん、フランソワ・ジャンテさんと。

大阪あべのハルカス、「ショコラ・エ・ショコラ」の会場にて。

「ショコラ・エ・ショコラ」講演会場にて。



今、チョコレートと共に生きた長い道程を、私は感慨深く振り返っています。
多くの皆さんに助けていただいて、ここまでやってくることができました。
心から嬉しく、ありがたい思いでいっぱいです。


チョコレートの世界の更なる夢に向かって、私はこれからも活動を続けます。
皆さん、ぜひ、ご一緒に、すばらしいチョコレートを楽しみましょう!!


2025年12月20日

楠田 枝里子