** Eriko Kusuta's World ** 楠田枝里子公式ホームページ **
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こんなに楽しい文具セットを、あなたは見たことがあるだろうか。
旅の途中で、名物の駅弁を開いて味わうときの、わくわくと浮き立つ気持ちがそのまま、ここにも生きている。

まずは北海のさけ弁当から、賞味しよう。
たっぷりの鮭といくらご飯は、メモ帳になっている。
割り箸は、鉛筆。
袋の裏に「毎度ありがとうございます。お早くお遊び下さい」(「お召し上がり下さい」ではない)と印刷されている。
キャベツは輪ゴム、しょうゆは実は海苔なのだ。
そして、さあいよいよ、おかずのウィンナーと、なるとが、消しゴムなのである。
堂々たる存在感だ。
本物の駅弁に詰め合わされたちょっと玩具っぽいおかずのニュアンスも、消しゴムだからこそ、うまく伝わってくる。

これが原宿特製の幕の内弁当では、ゆで卵と松茸の消しゴムとなり、うなぎ弁当では、なるとと松茸というふうに、組み合わせが変わってくる。
じゅうじゅうと色好く仕上がった立派な蒲焼きに、ごっくんと唾をのみこみながら、メモ帳を繰ってみると、そこにはの模様が‥‥。
弁当の種類によってプリントが全て変えてあるという、心憎い演出であった。

横浜名物のニーハオ弁当には、さらにもうひと工夫ある。
おかずが、かまぼこと、卵と肉だんごとなって、いかにもという雰囲気。
デザートのゼリーも消しゴムである。
付け合わせの輪ゴムは、ピンク、ブルーと色鮮やかで、形もハートや星とこっている。
ソースの入れ物はやはり星形で、ここには、のりがつまっている。
フォークは、ボールペンだ。
メモ帳の料理は秘伝の焼飯なのだが、弁当の包みの裏に、こんな「中華グルメの心得」が記されていた。

一、ラーメンとギョウザだけが中華と思い込んではいけない。
二、毎朝の太極拳をかかしてはいけない。

なんだ、これは?

この弁当につくづく驚かされるのは、横浜行きの切符が付いていることだ。
茨城からの満福(まんぷく)線で「中華グルメに限り有効」と書かれている。
そしてその切符に打ち込まれた番号は、2180(ニイハオ)であった。

恐るべし、駅弁。