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 私が消しゴム好きだと人に話すと、必ずナンシー関さんの名があがったものだ。
 
 消しゴム版画家のナンシーさんは、われらが消しゴム界に燦然と輝くスーパー・スターだった。
 数多の有名人の特徴をみごとにとらえたその作品については、いまさら私が言及するまでもないだろう。
 
 惜しくも、若くして亡くなられたが、実は私は彼女のエッセイの大ファンでもあった。
 人間観察の鋭さ、センスには、いつも唸らされた。
 飛行機のなかで、ナンシーさんの連載ページを読んでいて、あまりの可笑しさに、思わず声をあげて大笑いしてしまったら、まわりの乗客からいっせいに奇異な目で見つめられ、あわてて同行していたアシスタントに、
 「ね、ね、このエッセイ、すっごく面白いのよ。
 読んでみない?」
 と取りつくろったことが、1度や2度ではない。
 
 
 
| そんなナンシーさんが、生前、私の消しゴム図鑑のために、作品を寄せて下さったのだから、幸せである。 
 ごらんいただこう。
 右が、その私の似顔だ。
 なんという、光栄!
 
 |  |  さて、ナンシーさんの作品に触発されたのか、最近こったスタンプ消しゴムも登場してきた。
 ひらがな、アルファベットは序の口で、動物の表情やらメッセージやら、細工をこらしたスタンプがセットになっている。
 
 驚くことに、これらは上下つまり凹面凸面の両方が使えるように作られており、鏡絵文字も自由自在なのだ。
 
 消しゴムスタンプは、本物のスタンプを超えた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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