コンパスで、円を描く。
分度器で、角度を測る。
鉛筆は、黒鉛を紙の表面にこすりつけ、文字の形に残す。
消しゴムは、その黒鉛をしっかり吸着して取り除き、文字を消していく。
どれもこれも、机の上のまじめな実用品なのに、なぜだろう、消しゴムにだけはいつも、やんちゃな遊び心が見え隠れしている。
隙あらばイタズラしてやろうと、うずうずしている腕白坊主――どのクラスにも、ひとりはいるよね――それが消しゴムなのだ。
おもちゃの消しゴムを目の前にすると、そんなおちゃめな子らのケタケタ笑いが聞こえてくる気がする。
このページを見てほしい。
ダーツやパズル、おはじき、碁盤など、モダンなものから古典までそろっていて、遊びたい放題。
グー、チョキ、パーのじゃんけんの消しゴムは、鉛筆の先に付ければ、ほんとうに勝負を楽しめるだろう。
ケン玉やヨーヨーには、ていねいにヒモまで付いているし、コマもこのまま回して腕を競うことができる。
子供たちは、おもちゃに変身した消しゴムを手にして、使おうか、それとも遊ぼうか、と悩むかもしれない。
いや、使って形を壊してしまうなんて、きっとできないだろうな。
筆箱のなかに密かに、消しゴムのふりをした遊び道具を隠しもつ愉快を、存分に味わっているにちがいない。
|