今からおよそ6500万年前、この地球から忽然と姿を消した、恐竜。
巨大隕石の落下により、環境の著しい異変が起こり、絶滅に至ったと言われているが、この劇的な最期をとげた生き物の姿は、限りなく私たちを魅了する。
各地で次々に新しい化石が発見されたり、夏休みになると、恐竜展が開催され、人々を集めている。
もちろん子供たちにも大人気の恐竜なのだが、まさか消しゴムの世界でも、ここまで健闘しているとは思わなかった。
全長12メートル、体重6.4トン。最大最強の肉食恐竜、ティラノサウルスは、のっしのっしと大地をゆらす。
ニ本指の手まできちんと作られている。
1億5000万年前に生きていた、剣竜としては最大のステゴサウルスは、なんと卵付きだ。
背中に剣のように伸び出ている多くの骨板で、体温を調節していたなどといわれている。
大きく翼を広げたプテラノドンの、威圧的なことは、どうだろう。
滑空するとき、突き出たくちばしとバランスをとるために、後頭部に細長い骨のとさかをもっている。
骨格の化石がそのまま展示してあるのは、プロトケラトプスだろうか。
ゴビ砂漠では、生まれたての赤ん坊から壮年、老年の恐竜まで、数十個の骨格が発見され、世界中を感嘆させたのだった。
いやはや、消しゴムだといって、あなどってはいけない。
細部に渡り、こだわって作り上げた恐竜たちなのだ。
使ってしまうのは、いかにももったいない。
というわけで、消しゴムの恐竜は、いつまでも絶滅しないで、生き残るのである。
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