** Eriko Kusuta's World ** 楠田枝里子公式ホームページ **
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はじめに
このページを、ほんのちょっぴり覗いて、
「何なんだ、これは‥‥」
と、首をかしげていらっしゃる方。
そして、すでにざっと目を通してみてなお、
「まさか‥‥とても信じられない」
と仰天しているあなたのために、改めて、はっきり申し上げましょう。
ここに登場しているのは、このページのソーセージも、乾電池も、表紙のロボットも、全て、間違いなく「消しゴム」なのです。
私たちの身の回りに見られるものは、ほとんど全て消しゴムになっているのだから、驚きます。
本当に、世の中には、数限りない種類の消しゴムがあるのです。
たかだか50円、100円の小さな文房具だけれど、これほどまでに愛情を注ぎ込み、形を作り上げた人々の思いが伝わってくるようです。
その遊び心をしっかり受け止めて、店頭に飾る文房具屋さんの心意気にも打たれます。
際限なく熱くなって、消しゴムを探し求めるファンは、老若男女を問いません。
なぜ人は、こんなにも消しゴムに夢中になってしまうのでしょうか。
カラフルで、ポップで、愉快‥‥もちろん消しゴムは、そんな可愛らしい魅力に溢れています。
手にする人を、子供のように心楽しくさせてしまうのです。
加えてその奥深くには、もうひとつ別の顔が秘められている気がします。
そもそも消しゴムは、形作られたひとつの世界を消滅させるために、生まれてきたのです。
しかも、他を破壊するだけでなく、自らも身を捩りながら、自他共に消滅していく… そんな宿命を負っているのです。
この存在の悲しみが、私たちの心を打つといったら、言い過ぎでしょうか。
そして、それだからこそ、消しゴムは、表面はあくまでも軽やかに、ひょうきんに、おどけてみせるのではないか‥‥。
さあ、消しゴムを巡る、そんなエピソードの数々を、本文でたっぷり読んでいただくことにしましょう。
ようこそ、消しゴム宇宙へ。
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