最近の傑作消しゴムのひとつが、このカレーライスだ。
ぷつぷつとご飯の粒が立っている。
とろりと掛けられたルウのつややかなこと、まことにけっこう。
やさしい色した甘口と、ぴりっと濃い辛口の二種類あって、皿の色、材質まで変えてあるところなど、手がこんでいる。
あまりに気に入って、テレビで一度見せびらかしてしまったら、大変。
あちこちの小学生から、後日私の事務所に便りが届いた。
「カレーの消しゴム、すごい。ぼくもほしい」
「一生懸命さがしましたが、うちのほうには売っていません」
「いいなあ、カレーの消しゴム持ってるなんて‥‥うらやましい」
などなど。
そんな大きな反響があったことを、メーカーのイワコーさんに話したところ、思いがけない展開となった。
子供たちに送ってあげてほしい、とイワコーさんが、カレー消しゴムをどっさりプレゼントしてくれたのだ。
私は大喜びで、みんなに消しゴムを郵送したのだった。
こんなふうに、商品を扱いながら、商売を度外視してしまうような面白さ、心意気というものが、消しゴムに関わる人々にはある。
それに触れるとき、私たちはこの上なく幸せな気持ちに包まれる。
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