子供の世界にもやっぱり、と言うべきだろう、このページに掲げたのは、お金の消しゴムである。
500円玉から、1000円札、5000円札、さらに10000円札まで。
消しゴム自体は50円、100円のものなのに、背伸びして高額を装っているところが、かわゆいではないか。
なかでも、芸の細かさに唸ったのが、昭和57年の500円玉である。
表裏とも、本物と同じ絵柄が掘られているのは言うまでもないが、その淵に「NIPPON・500」と刻まれているのに気付き、首を傾げてしまった。
「こんなところに‥‥?」
半信半疑ではあったが、念のため財布から実際の500円玉を取り出し、確認する。
厚みは2ミリほどしかない。
そこにようやく、あまりに小さく、傷にしか見えないような模様を探しだし、拡大鏡でのぞいて、私はあっと声をあげた。
浮かび上がったのは、間違いなく「NIPPON・500」の文字であった。
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