10年あまりも前のことになるだろうか。
見知らぬ女性から小包が届いた。
「子供ももう大きくなって、そろそろ消しゴムを卒業しようと考えています。
でも捨てるにはしのびないので、消しゴム好きの楠田さんに送らせていただくことにしました」
というような内容の手紙が、添えられていた。
そして中からは、エイリアンのわきでるごとくに続々と、怪獣の消しゴムが飛び出してきたのだった。
ウルトラマンA(エース)やウルトラセブン、ウルトラマンキングの勇敢な姿も見える。
地球の平和を守ろうと、この消しゴムを手に戦う息子さんの熱中ぶりが、目に浮かぶようだった。
私の行動範囲のなかでは、とても集まらないであろう、貴重品である。
思いがけない、ありがたいプレゼントだった。
こうした経緯で、怪獣の消しゴムは、私の消しゴムの仲間となったのである。
上に、ウルトラマン・シリーズに登場する怪獣をならべた。
バルタン星人や、イカルス星人、ドラキュラスには、懐かしい気持ちでいっぱいになる。
ガラモンは、私も大好きな怪獣だったな。
下の上段は、仮面ライダーのシリーズだ。
岩石巨人に、ガラガランダ‥‥ちょっぴりユーモラスな風貌をしている。
ブルブルなど、その他の怪獣たちも、かなり迫力がある。
けれど、どんなに恐ろしい怪獣たちも、消しゴムとなって手の平におさまってしまえば、もうこっちのもの、自由自在に操れる。
そんな特権を握った王様気分を、子供たちは、きっと存分に楽しんでいるにちがいない。
|