子供に人気の消しゴムだもの、子供たちが夢中になっているテレビゲームが登場しなくちゃ、お話にならない。
それにしても、まあ、画面のにぎやかなこと。
表面にごく細い溝が何本も掘ってある、手のこんだスクリーンは、見る角度をかえると、浮かびあがる絵も次々変化する。
激しくコートを走り回る、テニスの試合。
海から飛び上がる3頭のイルカの背を、うまく乗り継いで、向こう岸へと渡るゲーム。
火事の現場で、建物から飛び降りる人を、担架で受けとめるゲームも……。
よく考えつき、細かな作業を重ねたものだ。
小さな銀のボールが入っていて、それを動かして遊ぶ、昔懐かしいタイプのものもある。
当然、流行の「たまごっち」の模造品も作られている。
なかには、卵からかえったばかりのヒヨコやら恐竜やら(もちろんこれが消しゴム)が入っているのだ。
わざわざ袋に、「この商品は、小型ゲームではありません」と断ってあるのが、おかしい。
コントローラーを手に、テレビの前で顔を真っ赤にしている、幼い甥っ子シンちゃんの姿が思い出される。
消しゴムには、子供社会の流行がはっきりと現れる。
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