虹の橋、第2章
楠田枝里子
2年前の8月11日早朝、マフィンは、虹の橋へと旅立ちました。
このサイトの読者なら、勿論、虹の橋のことをよくご存じでしょう。
命を終えた愛猫や愛犬たちは、橋のたもとにやってきます。
そこは、緑の広がる美しいところ。
花々が咲き、心地よい風が渡り、いつも春のような暖かな日差しに包まれています。
美味しいご馳走や、お水が、たっぷり用意されています。
もう痛いことも苦しいこともありません。
みんな健康で、元気いっぱいに飛び跳ね、遊んでいます。
そこで楽しく暮らしながら、彼らは、飼い主さんがいつかやってくるのを、待っているのです。
やがて・・・こちらに向かってくる飼い主さんの姿を見つけ、彼らは大喜びで駆け寄ります。
ついに再会を果たしたふたりは、もうけして離れ離れになることはありません。
なかよく一緒に虹の橋を渡って、天国へと向かうのです。
このお話に、第2章があるのを、皆さん、ご存じでしょうか?
橋のたもとにいるのは、実は、人間に愛された動物ばかりではないのですね。
捨てられ、疲れ果て、飢え、いじめられ、誰にも愛されなかったコたちも、やってきています。
彼らは、愛猫、愛犬たちが飼い主さんと再会し、嬉しそうに橋を渡っていくようすを、いつも切なげに眺めています。
彼らには、特別な人など、いなかったのです。
生きている間、そんな人物は現れなかった。
でも・・・。
そのコたちが、ある日、道の途中で寂しげに佇んでいる人間の姿を、見つけます。
生きている間、愛するペットを持たず、疲れ果て、独りでそこに来ていた人でした。
そんな人間のそばに、誰にも愛されなかった1匹の動物が近づいていきます。
そして、彼らの間に、奇跡が起こるのです。
彼らこそ、いつか巡り会うべくして生まれた者たち・・・。
互いに、特別な存在であることに気付きます。
生きている間には巡ってこなかったチャンスが、ついに訪れたのです。
ふたりの友は初めて一緒になって、虹の橋を渡り、いつまでも幸せに暮らすのです。
この世界には、過酷な運命を生きなければならなかった動物も、人間も、たくさんいます。
でも、どんなに苦しい生を与えられたものにも、虹の橋は、温かなハッピーエンドを用意してくれている・・・そう思うと、胸が熱くなりますね。
これが、虹の橋の第2章です。
2年前、マフィンは虹の橋へと向かいましたが、実は、まもなくうちに帰ってきてしまいました。
嘆き悲しんでいた私を見るに見かねて、だったのでしょう。
今も彼は私のそばにいて、それまでとは違う形で、私を包み、励まし、楽しませてくれています。
時々、お友だちのおうちに出かけたり、虹の橋と往復したり、忙しくしているようです。
私が旅したナスカにまで飛んでいったのには、驚かされましたね。
どうやら、マフィンは、虹の橋第3章を書くつもりなのかもしれません(笑)。
2022年8月
マフィンへのお手紙は、こちらへ |
|
マフィンのポスト・カードはこちら |
|
|
|