抱っこの嫌いな猫
楠田枝里子
洋猫さんにはよくあることだそうですが、残念ながら、マフィンも抱っこが嫌いでした。
ちびっこのうちは良かったけれど、大きくなってからは、腕の中におとなしくしていてくれない。
私は、マフィンを胸に抱いた、ツーショット写真が欲しくてしようがありませんでした。
わが家は猫と人間の二人暮らしでしたから、撮影してくれる人が身近にいません。
マフィンを連れて事務所に行ったとき、あるいは、事務所のスタッフがうちに来たときに、絶好のチャンスとばかり、トライしてみるのですが、彼はすぐ逃げだしてしまって、失敗の連続でした。
特に、9歳で肺膿瘍を患い、急死に一生を得てからは、マフィンの負担になることは一切やめよう、と決意したので、ふたりの写真を撮ることも半ば諦めてしまいました。
手元に残る、数少ないツーショットの1枚を、ご覧いただきましょう。
これは、私が打ち合わせをしていた、事務所の一室。
そばにあった紙袋に入り込んで遊んでいたマフィンが、あまりに可愛かったので、仕事を中断して、シャッターを押してもらいました。
懐かしい、幸せな時間が、甦ります。
2022年10月
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